Unisex column 共通コラム
尺側手根伸筋に痛みを感じるときの対処法とストレッチ・トレーニング方法を解説
「手首に痛みを感じるのは何が原因?」
「筋トレの際、チューブやダンベルを持ったら痛いのはどう解決したらいい?」
あなたはこんな疑問を持っていませんか?
日常生活やトレーニング時に、手首周辺に痛みや違和感があるときは、尺側手根伸筋を痛めているかもしれません。
そこでこの記事では、尺側手根伸筋について、以下の内容を解説します。
- 尺側手根伸筋とは
- 尺側手根伸筋に痛みを感じるときの対処法
- 尺側手根伸筋のストレッチ方法
- 尺側手根伸筋を鍛えるトレーニング
おすすめのトレーニング方法についても解説しているので、ぜひ最後まで読んで手首にまつわる悩みを解消していきましょう。
目次
尺側手根伸筋とは
尺側手根伸筋は前腕の小指側にある筋肉群の1つで、手の甲を反らすときに使われる筋肉です。
実は、前腕は尺側手根伸筋の他にも30近い筋肉で構成されており、手首を動かすときには複数の筋肉が使われています。
尺側手根伸筋は普段は目立ちませんが、日常動作には欠かせない動きを支えている重要な筋肉の1つなのです。
尺側手根伸筋を鍛えると、スポーツや筋トレのパフォーマンスがアップしたり、動作をスムーズに行えたりするようになります。
日常生活で常に使っているため違和感や痛みがあっても安静にするのが難しく、日常生活が辛くなりがちな部位とも言えます。
尺側手根伸筋腱炎とは
尺側手根伸筋腱炎は、手首に負荷がかかりすぎるなどして尺側手根伸筋を包む周囲の腱に炎症が起きている状態です。
手首が痛む方は、症状や原因、治療などを詳しく見ていきましょう。
尺側手根伸筋腱炎の症状
尺側手根伸筋腱炎の主な症状は、以下の通りです。
- 手首を動かしたときに小指側に痛みを感じる
- 手首を回すと音がして痛む
- 急に手首が動かせなくなった
- ふとした動作で手首に痛みが走る
- 物を持ち上げようとすると痛みを感じる
- 手首の小指側が腫れる
スポーツやトレーニング時のみに痛みを感じる方もいれば、日常動作で常に違和感や痛みに悩まされる方もいます。
尺側手根伸筋腱炎の原因
主な原因は手首の使いすぎ、負荷のかけすぎです。
テニスやゴルフなど、手首に負荷がかかりやすいスポーツでも多く見られます。
重い荷物を持ったり、筋トレなどで手首に継続して負荷がかかりすぎたりすると起こりやすい障害です。
日常動作で知らず知らずのうちに負荷がかかっていた場合は、特に原因となるような理由もなく痛みが発生する場合もあります。
尺側手根伸筋腱炎の治療
尺側手根伸筋腱炎症の治療は、手首を使わないように固定し、安静にするのが第一です。
安静にし、使用頻度を減らせば軽快することが多いからです。
症状がひどい場合は、装具(スプリント)を使用して固定する場合もあります。
炎症を抑えるために湿布や鎮痛消炎剤を使用し、痛みがひどい時はステロイド剤の注射も行います。
尺側手根伸筋腱脱臼とは
尺側手根伸筋腱脱臼は、伸筋を包む腱が脱臼してしまった状態です。
腱を覆っている下層腱鞘と呼ばれる部分が緩んだり切れたりして、本来の位置からズレてしまうことで起こります。
負荷のかけすぎや手首の故障を繰り返すことが原因で、脱臼するときに音がする場合もあります。
テニスの錦織選手が保存療法で治したことで知られていますが、再発したり症状がひどくなったりした場合は手術が必要になります。
尺側手根伸筋に痛みを感じるときの対処法
尺側手根伸筋に痛みを感じるときの対処法は、以下の3つです。
- 安静にして湿布を貼る
- テーピングやサポーターを使う
- ストレッチやツボ刺激を行う
詳しく見ていきましょう。
【対処法1】安静にして湿布を貼る
まずは安静にし、患部を固定してできるだけ使わないようにします。
鎮痛消炎剤の入った湿布を貼り、炎症を抑えましょう。アイシングも効果的です。
痛みを緩和するために患部に注射する場合もあります。
多くが安静にし手首の使用頻度を下げるだけで症状が軽快するため、痛みが落ち着くまではできるだけ手首を使わないようにしましょう。
【対処法2】テーピングやサポーターを使う
テーピングやサポーターで尺側手根伸筋や手首の周囲を固定することで、痛みが発生するのを予防することができます。
筋肉や腱にかかる負担を和らげる効果もあり、手首に意識が向くので使い過ぎも防げます。
痛みは感じないがなんとなく違和感があるときやケガの回復期にあたるとき、手首を痛めたことのある人が予防として使うのにも有効です。
手首に負荷がかかりやすい動きを連続して行うときや尺側手根伸筋のトレーニングを行うときは、テーピングやサポーターを使うと良いでしょう。
【対処法3】ストレッチやツボ刺激を行う
尺側手根伸筋に強い痛みではなく軽い違和感があるときや、時々痛みを感じる場合などは、ストレッチやツボ刺激を行ってみましょう。
ストレッチやツボ刺激を行うことで、凝り固まった筋肉をほぐし血行を良くしてくれます。
ただし、痛みがひどい時はストレッチやツボ刺激を行うのではなく、安静にした上でまずは炎症を抑えることが大切です。
ストレッチやツボ刺激はやりすぎると逆効果になるため、気持ちいいと感じる程度に行いましょう。
尺側手根伸筋のストレッチ方法
手首は日常生活でもたくさん使っているため、ストレッチも日常的に取り組むと効果的です。
ぜひ取り組んでほしいストレッチは、以下の3つです。
- 合掌ストレッチ
- 前腕屈筋群のストレッチ
- 前腕伸筋群のストレッチ
どこでも取り組める簡単なストレッチなので、すきま時間を使ってやってみてください。
【ストレッチ1】合掌ストレッチ
胸の前で手を合わせるだけの簡単なストレッチです。やり方は以下の通りです。
- 胸の前で両手を合わせる
- ゆっくり下に向かって下ろしていく
- 限界まで下げたらゆっくり元に戻す
胸を張り、背筋を伸ばした姿勢で行いましょう。
ゆっくり息をしながら時間をかけて行うのがポイントです。
【ストレッチ2】前腕屈筋群のストレッチ
体重をかけて、しっかり伸ばしていくストレッチです。やり方は以下の通りです。
- 床に膝をつきて親指を外側にして手のひらを床につける
- 肘を伸ばしてゆっくり体重を後ろ側にかけていく
- 前腕が伸びているのを感じながら30秒ほどストレッチする
気持ちいいと感じるぐらいを目安に、ゆっくり伸ばしていくのがポイントです。
負荷をかけすぎないように注意して行いましょう。
【ストレッチ3】前腕伸筋群のストレッチ
2段階でゆっくり前腕伸筋群を伸ばしていくストレッチです。やり方は以下の通りです。
- 右手を前に出し、手首を曲げる
- 左手で右手をつかみ、ゆっくり体のほうへ引いて前腕が伸びるのを感じる
- さらに指を内側に曲げて、前腕を伸ばす
最初は手首だけ曲げ、そのあと指を曲げることでさらに前腕をしっかり伸ばしていくことができます。
気持ちいいと感じる程度に、片手ずつゆっくり行いましょう。
尺側手根伸筋を鍛えるメリット
尺側手根伸筋は手首の動きに欠かせない筋肉のため、日常動作で使うだけでもオーバーワークになりがちです。
そのため尺側手根伸筋を鍛えれば、日常動作もスムーズ行えるようになり、手首を使うトレーニングやスポーツのパフォーマンスも上げることができます。
また、怪我のリスクを下げることができ、スポーツをより安全に楽しめます。
尺側手根伸筋だけを鍛えるのは難しいため前腕のトレーニングが中心になりますが、メリットが大きいため痛みが取れたら積極的に取り入れていくと良いでしょう。
尺側手根伸筋を鍛えるトレーニング3選
手首に痛みがあるときは厳禁ですが、ケガの予防やスポーツ・トレーニングのパフォーマンスUPを目指して、尺側手根伸筋のトレーニングを行ってみましょう。
おすすめのトレーニングは以下の3つです。
- ダンベルリストカール
- リバースダンベルリストカール
- アルナーフレクション
やり方や注意点を順に解説していきます。
【トレーニング1】ダンベルリストカール
ダンベルを使って行うトレーニングです。ダンベルがない場合はペットボトルなどでも代用できます。
やり方は以下の通りです。
- ダンベルを順手で持つ(上からつかんで持つ)
- 机やベンチに肘から先をつけ、手首から先だけ出した状態にする
- 前腕を動かさないように注意しながら、ゆっくりダンベルを持ち上げ、下ろす動作を繰り返す
時間をかけてゆっくり上下させるのがポイントです。
【トレーニング2】リバースダンベルリストカール
ダンベルを逆手に持って行うトレーニングです。やり方は以下の通りです。
- ダンベルを逆手に持つ(下から持つ)
- 机やベンチに肘から先をつけ、手首から先だけ出した状態にする
- 前腕を動かさないように気を付けながら、ゆっくりダンベルを持ち上げたり下ろしたりする
ダンベルリストカールと同じように、ゆっくり時間をかけて行いましょう。
最初は軽い重量から始めて、少しずつ負荷をかけていくのがポイントです。
【トレーニング3】アルナーフレクション
可変式を使用して行うトレーニングです。やり方は以下の通りです。
- 可変式ダンベルは片方の重りを外し、小指側に重りが来るように持つ
- 足は軽く開き、背筋を伸ばした状態で、ダンベルを体に沿わせる
- 手首以外を動かさないように意識しながら、小指側にゆっくり曲げていく
- 限界まで上げたらゆっくり元に戻す
- 繰り返す
肩が上がらないように注意するのがポイント。手首以外は動かさないようにしましょう。
アルナーフレクションは通常のダンベルでも行えます。
可変式でないダンベルを使う場合は、ダンベルを一度床に立て上からつかむようにして持つと同じようにトレーニングできます。
尺側手根伸筋を鍛えるときの注意点
尺側手根伸筋を鍛えるときの注意点は、以下の4つです。
- 普段からストレッチを行う
- 負荷をかけすぎない
- 肘をしっかり固定して行う
- 痛みがあるときはやらない
詳しく説明していきます。
【注意点1】普段からストレッチを行う
手首は日常生活でよく使う部位のため、普段から負荷やストレスがかかっています。
普段から積極的にストレッチで伸ばしてあげると良いでしょう。軽くもみほぐしてあげるのも効果的です。
トレーニングを行うときは、前後にストレッチを取り入れることが重要です。
ゆっくり、時間をかけてストレッチしましょう。
【注意点2】負荷をかけすぎない
尺側手根伸筋は痛めやすい部位のため、負荷をかけすぎないことも大切です。
最初は軽い負荷から始めるようにし、ダンベルの重さを変えるときは慎重に少しずつ重量を上げていくようにします。
最初は500g程度のやや軽めダンベルからスタートすることをおすすめします。
女性は特に手首が細く痛めやすいため、無理のない重さからスタートしましょう。
【注意点3】肘をしっかり固定して行う
尺側手根伸筋のトレーニングを行うときは、肘をしっかり固定した状態で行いましょう。
肘が動いてしまうと、手首にしっかり負荷がかからないばかりか、ケガの原因になってしまいます。
手首だけを動かすようにし、他の部位は動かないように気を付けて行いましょう。
慣れないうちはトレーニングを片手ずつにし、片方の手で前腕を押さえて行うようにすると肘を固定したまま鍛えることができます。
【注意点4】痛みがあるときはやらない
尺側手根伸筋は、少しの負荷で痛みが出やすい、ケガをしやすい部位です。
痛みを感じたときはすぐにトレーニングを中止し、アイシングなどして様子を見ましょう。
痛みを感じている時にトレーニングを行うのは、痛みを悪化させ回復を遅らせる原因になります。
安静にしても痛みが消えない・悪化する場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
尺側手根伸筋に痛みがあるときは安静に!回復したらストレッチから始めて少しずつ鍛えよう
尺側手根伸筋は、日常でもよく使う筋肉のため、痛みを感じると日常生活にも不便を感じてしまいます。
痛みがあるときは安静にし、手首を動かしたりしないように気を付けましょう。
痛みがなくなってきたら、ゆっくりストレッチすることから始め、痛みがぶり返さないかよく確認しながらトレーニングするのがポイントです。
最初は軽いダンベルからスタートし、反動を使わずゆっくり時間をかけながら少しずつ鍛えてみてくださいね。