Unisex column 共通コラム
【トレーナーが解説】腰痛を改善・防止する筋トレメニューと注意点
「筋トレで腰痛を改善できるの?」
「歳をとったからか、腰が痛くなりやすい」
「筋トレをすれば、腰痛が治るって聞いたんだけど本当?」
と腰痛に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
かがんで落ちた物を拾う動作でも、腰が痛いと大変ですよね。このまま元の状態に戻れないのでは、と不安に思うこともしばしば。トレーニングで改善する可能性があるのなら、挑戦したいですよね。
結論から言うと、全ての腰痛に筋トレがおすすめなわけではありません。場合によっては、腰の痛みが悪化してしまうこともあります。
また、筋トレの種目によっては健康だった腰を痛めてしまうことも。腰痛は慢性化しやすいので、予防も重要です。
そこで、この記事では
- 全ての腰痛に筋トレがおすすめではない理由
- 筋トレをして腰痛が改善する理由
- 腰痛持ちにおすすめの筋トレメニュー
- NGの筋トレ
- 筋トレをするときの注意点
を詳しく解説しています。
なお、筆者はプロのトレーナーであり、実際に多くの方のボディメイクを成功に導いてきました。ぜひ最後までご覧ください。
全ての腰痛に筋トレがおすすめではない!
残念ながら、全ての腰痛に筋トレがおすすめなわけではありません。
筋トレをすることによって、かえって腰痛を悪化させてしまう場合もあります。現在腰痛に悩んでいる場合は、まず医師に相談しましょう。
筋トレをしない方が良い腰痛は、ヘルニアなどの原因が分かっているものです。
たとえば、ぎっくり腰のときは少し動くのさえも大変なのに、トレーニングはできません。休養することが大切なのに、無理に筋トレしてしまうと悪化します。
原因が分かっている腰痛の場合は、安静にするように指示されたら許可が出るまで指示通りにしましょう。
逆に筋トレがおすすめなのは、原因のわからない腰痛です。日頃の姿勢が悪いなどが考えられますが、原因を特定しづらいのが特徴。
この場合は、筋トレをして筋肉量をアップすることで腰痛の改善ができることも多いです。
筋トレをして腰痛が改善する3つの理由
原因の分からない腰痛が、筋トレをして改善する理由を説明します。
具体的には、3つです。
- 筋肉量が増える
- 血行が良くなる
- 姿勢改善が期待できる
順番に説明します。
【理由1】筋肉量が増える
筋トレによって筋肉量が増えるので、腰痛が改善されます。
理由は、体を支えられる筋肉が増えるから。
筋肉の役割の1つは、私たちの体を支えることです。つまり、筋肉量が増えれば増えるほど体を支えるのがラクになると言うことです。
たとえば、姿勢を維持するだけでも
- 背中
- お腹
- お尻
- 太もも
- ふくらはぎ
の筋肉が使われています。この筋肉が衰えている人は、猫背になったり、お腹を突き出すような姿勢になったりと正しいバランスを保てなくなります。結果、腰痛を引き起こす原因にもなっています。
筋肉量を増やすことによって、体を支えられるようになり腰痛の改善が期待できるでしょう。
【理由2】血行が良くなる
血行が良くなるのも、筋トレで腰痛が改善される理由の1つです。
血流の流れが悪いと、肩こりなどの凝りに悩まされますよね。マッサージにいっても、一時的に改善されるだけで定期的に通わないと、あっという間に元の固さに元通り。
しかし、筋トレであれ血行やリンパの流れが良くなるので、体から痛みの原因となる老廃物を排出しやすくなります。
筋肉量が増えることにより、基礎代謝も上がっていくので腰痛の改善だけでなく、腰痛持ちになりにくい体を作ることにも繋がります。
【理由3】姿勢改善が期待できる
正しい姿勢になるだけでも、腰痛になりにくくなります。
トレーニングすることにより、悪かった姿勢が良くなることも。
繰り返しになりますが、姿勢を維持するだけでも
- 背中
- お腹
- お尻
- 太もも
- ふくらはぎ
の筋肉が使わなければなりません。
姿勢が悪く腰痛持ちの人は、改善するだけで良くなることもあります。
背中の筋肉を鍛えるだけでは、正しい姿勢にならないので全身をしっかりと鍛えるようにしましょう。
体幹を鍛えると、真っ直ぐなピンとした綺麗な姿勢を作れます。
腰痛持ちにおすすめの筋トレメニュー5選
こちらでは、腰痛持ちの方におすすめの筋トレメニューを5つ紹介します。
- プランク
- ドローイング
- バックエクステンション
- ヒップリフト
- キャットアンドカウ
全てのトレーニングを一度におこなう必要はありません。
できそうなものから、ぜひ挑戦してみてくださいね。
【筋トレメニュー1】プランク
プランクは腕立て伏せと似ていますが前腕と肘、つま先を地面につけて体を浮かせるトレーニング。
おへそを見る感じで少し頭を下にすると腰を反ることがありません。腰を反ると、腰痛の原因になるので要注意!
腕立て伏せと違い両足とつま先で体を持ち上げるので、筋力が少ない人でも比較的おこないやすいです。
<やり方>
- 脚を閉じてうつ伏せになって寝て、両腕をL字に曲げて床につける
- 腕はそのままの状態にして、両足・つま先で体を持ち上げる
- 頭から足までを一直線に保つ(お尻が上がらないように注意)
- 床と体が平行になるイメージでそのまま維持する
この状態でできる限り長くキープしましょう。楽に思えるかもしれませんが、最初は20秒続けるのでも大変です。
継続して取り組み、少しずつ長時間維持できるようにしていきましょう。
トレーニングのコツ
- お尻や腰が下がらないよう意識する
- やりすぎないよう要注意
- 正しい呼吸法を身につける
- 腕に力を入れない
毎日行えば、少しずつプランクをする時間を伸ばすことができます。
プランクチャレンジなどに参加して、一緒に行うとモチベーションを保ちやすいですね。
4種類のプランクが2分間楽しめます。
色々な種類を行った方が、あっという間に終わります!
【筋トレメニュー2】ドローイン
ドローインは場所を選ばずどこでも簡単にできる、トレーニングの1つです。
立っていても、座っていても、寝ていても、どんな状態でも行うことができます。
初心者でも、お腹に手を当てたら腹筋が固くなっているので、筋肉を意識しやすいのでおすすめ。
ドローインでは、インナーマッスルの腹横筋を鍛えます。
呼吸するだけで腹筋が鍛えられるの?と疑問に思われるかもしれませんが、まずやってみてください。普段全く運動をしていないと、ドローインだけで筋肉痛が来ることもよくあります。
<やり方>
- お腹に空気を溜め込むイメージで息を大きく吸う
- 限界まで吸った後、息を止める
- 膨らませたお腹が凹むように、お腹から思い切り息を吐き出す
- 空気を完全に吐き出したら、凹ませた状態で30秒キープ
- ゆっくりと息を吸っていく
- この動作を5回繰り返す
ドローインの目安は、5回 × 5セット。
思い切り息を出せない場所だったら、ゆっくり息を吐き出しても同じ効果を得られるので安心してくださいね。大事なのはキープすること!
トレーニングのコツ
- お腹を凹ませた時に、腹部の筋肉を意識する
- できるだけ連続してトレーニングを行う
- 背中を絶対に丸めない
一気に5回行わなくてもいいですが、タイミングを決めておきましょう。
たとえば、トイレへ行く度にドローインを行うと決めておけば、習慣化もしやすいですね。
【筋トレメニュー3】バックエクステンション
バックエクステンションとは、地面と平坦のマット上で上体を反らす筋力トレーニングです。広背筋を自重で鍛えられる筋トレ種目の1つ。
腹筋と背筋のバランスが悪いと腰痛になるリスクを高めるので、ぜひ両方を鍛えるようにしてくださいね。
<やり方>
- うつ伏せになって寝転がり両手を頭の後ろで組む
- 体を反るイメージで上半身を上げていく
- 限界まであげたらゆっくり戻す
- 2と3を繰り返す
目安は10回×3セットです。無理のない範囲でおこないましょう。慣れてきてから回数を徐々に増やせば良いので、まずは正しいフォームでおこなうことを意識してくださいね。
<トレーニングのコツ>
- うつ伏せになるとき、脚を少し開いてリラックスする
- 体を反らすときは、顔と目線を上に向ける
- 呼吸を忘れない
体が伸びて気持ちの良いトレーニングなので、ぜひ取り入れてくださいね。
【筋トレメニュー4】ヒップリフト
ヒップリフトは、お尻・太ももの裏の筋肉を中心に、体幹も鍛えることができるトレーニングです。
ダイエットやスタイルアップなどにも効果的で、ぜひ取り入れたいトレーニングメニューの1つですね。
<やり方>
- 仰向けに寝る
- 足を腰幅程度に広げてかかとを床につける
- 膝から胸が一直線になるようお尻を上げる
- キープもしくは、上下動する
30秒〜1分キープ×3セットもしくは、20回3セットを目安に行いましょう。
<トレーニングのコツ>
- 肩や頭を上げない
- 首や手に余計な力を入れない
- お尻とお腹に力を入れて体を固定して持ち上げる
- 一直線をキープする
肩や首の余計な力みは抜いて、お尻・太ももで体を支えましょう。
初めのうちは、床を手で支えても問題ありません。
慣れてきたら手の甲が下へ着くようにして、行いましょう。
【筋トレメニュー5】キャットアンドカウ
最後に、ヨガのポーズの1つであるキャットアンドカウを紹介します。
就寝前や起床したばかりでも、できる簡単なヨガです。背中のコリをほぐして、上半身の血行を促進してくれるので、体が温まっていくのを感じられますよ。
<やり方>
- 腕を肩幅、足を肩幅に開いて四つん這いになる
- ゆっくりと息を吸いながら、胸を天井へ向けて引き上げる
- ゆっくりと息を吐きながらおへそを覗き込み、背中を丸めていく
- 元の位置に戻り、繰り返す
目安は、8〜10回です。ゆっくりと呼吸を意識しながら、1回1回をこなすようにしましょう。
<トレーニングのコツ>
- 手の指を均等に開く
- 胸を天井に引き上げるとき、目線も一緒に天井の方へあげていく
- 腰だけそらさない
- 吐く息とともに、お腹を凹ませる
難しい動作はないので、誰でも今日から始めることのできるトレーニングです。床の上だと、膝を痛めてしまう可能性もあるので、ヨガマットを敷いたり、ベッドの上で行ったりしてくださいね。
腰痛持ちがNGの筋トレ
腰痛持ちの方には、おすすめしない筋トレを3つ紹介します。
- シットアップ
- レッグレイズ
- 高負荷の筋トレ
順番にみていきましょう。
【NG筋トレ1】シットアップ
腹筋といえば「これ!」という方が多いシットアップ。
シットアップは、上体起こしのこと。学生時代、体育の時間に行う定番トレーニングでしたよね。
しかし、近年では腰を痛めやすいとされ、積極的に推奨されることは少なくなりました。
【NG筋トレ2】レッグレイズ
レッグレイズは、仰向けの姿勢で、足を閉じ伸ばしたまま、足をあげるトレーニングです。
レッグレイズは、腰が反りやすく、腰で脚を支えがちになってしまうので腰を痛めやすい種目の1つです。
どうしてもやりたい方は腹筋を十分に鍛えて、上手に使いこなせるようになってから行うと良いでしょう。
また、レッグレイズを行うときは、必ずヨガマットなどを敷くようにしてくださいね。
【NG筋トレ3】高負荷の筋トレ
腰痛持ちの方は、高負荷の筋トレをするのは避けましょう。
理由は、腰に負担がかかり、怪我のリスクも高まるからです。
高負荷だと、どうしても反動を使いがちになってしまい、正しいフォームで行うのが難しくなってしまいます。
筋肉は、高負荷のトレーニングでなくても成長します。
無理をせず、自分に合った負荷で正しいフォームを意識しながら筋トレしましょう。
腰痛持ちが筋トレをするときの注意点4つ
腰痛持ちの人が筋トレをするときに、注意する点を5つ紹介します。
- 筋トレ前後にストレッチ
- 正しいフォームで行う
- 痛みが出たらすぐにやめる
- 毎日筋トレをしない
腰を痛めるだけでなく、筋トレの効果を半減させないためにも重要なポイントです。
まだ腰の痛みに悩まされていない方も、ぜひ意識して筋トレをしてくださいね。
【注意点1】筋トレ前後にストレッチ
筋トレ前後にストレッチをするようにしましょう。
ただし、筋トレ前後で行うストレッチは変えなければいけません。
筋トレ前は、ラジオ体操のような動的ストレッチにしましょう。
理由は、急にトレーニングを始めてしまうと筋肉や関節がほぐれていないからです。その結果、怪我のリスクを高めたり筋トレの効果を十分に発揮できなくなったりするからです。
筋トレ前に体をゆっくり伸ばす静的ストレッチをおすすめできないのは、筋肉が伸びすぎてしまい筋トレの効果を半減させてしまうから。
一方、筋トレ後はアキレス腱伸ばしなど静的ストレッチを行いましょう。筋肉をしっかりと伸ばすことによって、回復を早めることができます。また、血行が良くなるので筋肉痛の軽減にも効果的です。
腰を痛めないためにも、しっかりとストレッチを行いましょう!
【注意点2】正しいフォームで行う
当たり前ですが、正しいフォームで行いましょう。
正しいフォームで行うだけでも、腰を痛めるリスクを下げます。
一方で、誤ったフォームで行うと腰を痛めるなど怪我のリスクを上げるだけでなく、筋トレの効果も半減させてしまいます。
せっかく腰痛改善のために筋トレをしているのに、悪化してしまったら嫌ですよね。
まずは回数や負荷は気にしないで、正しいフォームでできているかを意識してください。
【注意点3】痛みが出たらすぐにやめる
筋トレ中に、痛みが出たらすぐにやめましょう。
理由は、痛みがある中で筋トレを行っても十分にトレーニングの効果を発揮できないからです。最悪の場合は、悪化してしまい日常生活に支障をきたすこともあります。
痛みが出る理由として考えられるのは、フォームが間違っている、またはトレーニングとの相性が合わない可能性の2つです。
1度、正しいフォームで行えているか確認しましょう。合っているか不安な方は、パーソナルトレーニングを利用するのも1つの手段です。
また、そのトレーニングと相性が合わなくても、筋トレの種目はたくさんあるので安心してくださいね。
【注意点4】毎日筋トレをしない
毎日筋トレをせず、休息日を入れましょう。
毎日鍛えても良いと思っている人がたまにいますが、それは間違いです。
筋肉を育てるためにも必ず休息日は必要。
筋肉の成長の仕方を簡単に説明しますね。
- 筋トレによって筋肉がダメージを負う
- 休養により筋肉に栄養分が溜め込まれる
- 同じトレーニングじゃダメージを負わない筋肉ができる
- さらに負荷を増やしてダメージを負わせる
- 休養して筋肉に栄養分が溜め込まれる
- 同じトレーニングでも余裕な体ができる
を繰り返しています。これを超回復と呼びます。
筋肉痛がまだあるのであれば、トレーニング日だろうとその筋肉は鍛えない方が良いでしょう。
毎日筋トレをしなくても、筋肉はしっかり成長するので安心してくださいね!
まとめ
この記事では、腰痛持ちの人が筋トレをして改善する理由と注意点を紹介しました。
まとめると、
- 全ての腰痛に筋トレが良いわけではない
- 筋肉量が増えることによって、体を支えられるようになり腰痛が改善される
- 無理のない範囲で筋トレを行う
- 正しいフォームでおこなう
原因のわかっている腰痛は、筋トレをしないほうが良いことも多いです。まずは、医師に相談するようにしましょう。
ただ、日頃から姿勢が悪いや運動不足の人は、筋トレを継続することによって腰痛の改善が期待できます。
腰痛持ちでどうやって筋トレをしたら良いか分からない初心者の方は、パーソナルトレーニングを利用するのもおすすめです。
痛みのない生活を送るためにも、ぜひ筋トレを始めてみてくださいね!