「ケトジェニックって糖質制限をもっと厳しくしたやつでしょ?」
「糖質をほとんど0にするのが、ケトジェニックって聞いた」
ケトジェニックについて、なんとなく糖質制限の親戚のようなイメージを持ちつつ、違いがわからない方もいるのではないでしょうか?また、どちらが向いているのかわからない方もいますよね。
結論から言うと、ケトジェニックと糖質制限は、糖質量と脂質量の摂取量が異なります。
糖質制限の方が、初心者にはおすすめ!
スーパーやコンビニで売られている、糖質が制限されている食品なども利用できるので、ストレスなく減量ができます。
ケトジェニックは、一刻も早く痩せなくてはいけない人や、メタボな人におすすめです。
両方とも、やり方を間違えてしまうと必ずリバウンドします。
しっかりと理解し、計画的に行うようにしましょう!
この記事では
- ケトジェニックと糖質制限の違い
- どっちのダイエット方法を選ぶべき
- ケトジェニックの注意点
について詳しく解説します!
なお、筆者は、多くの女性をダイエット成功に導いてきました。ケトジェニックと糖質制限の違いを明らかにしていきましょう。ぜひ最後までご覧ください!
【ケトジェニックと糖質制限の基本】PFCバランスについて
PFCバランスは、ケトジェニックと糖質制限の違いを理解する上で必要な知識!
摂取カロリーを減らすことがダイエットだと考えがちですが、カロリーだけでなく栄養バランスを気にすることも大切です。
ケトジェニックと糖質制限はこのPFCバランスを意識しながら、食べるものを決めていきます。
PFCバランスを簡単に説明すると食事による三大栄養素(タンパク質、脂質、糖質)の摂取カロリーがそれぞれ摂取カロリー量の何%に当たるかを示したもの。
全ての栄養素が私たちの健康を維持するために必要不可欠です。
PFCのカロリーの出し方はすごく簡単なのでぜひ覚えておいてください!
- P(タンパク質)=4kcal
- C(糖質)=4kcal/g
- F(脂質)=9kcal/g
例えば、スルメはほとんどタンパク質なので、10g食べたとして10g×4=40kcalと計算できます。
バターはほとんど脂質なので、10gは10g×9kcalで90kcal。
ケトジェニックや糖質制限中に自炊する際は、設定したカロリーとPFCバランスを考えないといけないので、ぜひ覚えてくださいね。
ケトジェニックと糖質制限の違いは?
ケトジェニックは糖質制限にとても似ており、ケトジェニックを糖質制限の1つの種類と説明する人もいます。
ケトジェニックと糖質制限の大きな違いは2つ
- 摂取しなければならない脂質量
- 摂取できる糖質量
詳しく説明していきます。
ケトジェニックとは
ケトジェニックは、脂質を多く、炭水化物を少なく摂取する食事方法のことです。
簡単に説明すると、今まで糖質で身体を動かしていたエネルギーが無くなってしまったので、脂肪を燃やして体を動かそうとするダイエット。
ケトジェニックダイエットでは、糖質の代わりに脂質を大量に摂取します。
糖質が足りない体内では、エネルギーを補うために脂肪を分解して作った「ケトン体」を利用して体を動かすようになります。
この状態をケトーシスと呼び、糖質が体に摂取されるまで脂肪をエネルギーとして体を動かします。つまり、1度でも糖質を摂取しすぎると、ケトーシスではなくなります。
本当にケトーシスになっているかを確認するためには、試験紙などを使うしかありません。
しかし、体脂肪の減り方や、体臭や口臭が甘酸っぱい独特の香りになるので、それで判断することもできます。
ケトジェニックのPFCバランスは、「高タンパク質、高脂質、低糖質」です。
アメリカの栄養学研究所によると、スタンダードなケトジェニックのPFCバランスとして推奨されているのが、P=20%、F=75%、C=5%。
ドクターやトレーナーによって、脂質量が60〜90%と推奨する摂取量が異なりますが、「脂質をたっぷり摂取する」と理解しておけば問題ありません。脂質が増減した分は、タンパク質で調整を行って下さい。
糖質制限とは
糖質制限とは、その名の通り「糖質を制限するダイエット」のこと。
- 米やパン、麺などの主食類
- 根菜類
- 果物
など糖質を多く含む食品を制限することにより、ダイエット効果を得ます。
糖質制限には4つの種類があります。
- スーパー糖質制限:1食あたり10〜20g、1日30〜60gが目標。
- スタンダード糖質制限:1日の糖質の摂取量は70〜100gが目標。
- プチ糖質制限:1日の糖質の摂取量は110〜140gが目標。
- ロカボ:1食あたり20〜40g。 間食は10gまで。1日の摂取量は70~130gが目標。
スーパー糖質制限が1番ケトジェニックに似ています。
糖質を制限することによりエネルギー源が無くなるので、代わりに脂肪を分解して使うようになる、ケトン体を出す状態ですね。
その結果、体脂肪や内臓脂肪の減りが早くなるというわけです。
ケトジェニックダイエットと同じく注意しなくてはいけないのが、ケトン体になっている状態に1度でも糖質を取ってしまうと、また1からのスタート。
さらに、何度もこの状態を繰り返すと、ケトン体を作り出すのが苦手な体質になってしまいます。
ケトーシスになるのは個人差です。スタンダード糖質制限でもなる人はいます。
糖質制限でのダイエットのポイントは、ケトン体にならなくても大丈夫ということ。
糖質を制限することにより、血糖値の上昇をコントロールすることができます。
つまりインスリンの分泌を抑えて、脂肪を蓄えないようにします。
ケトジェニックと糖質制限どちらを選ぶべき?
ケトジェニックと糖質制限どちらを選んだ方が良いか、迷いますよね。
ケトジェニックを行う人も、まずは糖質制限から始めて、徐々に糖質量を減らしてからケトジェニックに変えるのがおすすめ。急に始めるとめまいなどの症状が出ることがあるためです。
なお、ケトジェニックに移行後、目標を達成したら、糖質制限に戻し徐々に糖質量を増やしていくと良いでしょう。
ケトジェニックがおすすめの人
「ここまでに絶対痩せなくてはいけない!」と期間が決まっている人はケトジェニックがおすすめです。
糖質制限と比較してケトジェニックのメリットは2つ
- 糖質制限より即効性がある
- 脂肪の減りが早い
糖質制限より、かなり厳しい制限があるケトジェニック。
その分、体重や脂肪の減りを感じることができます。
食べて痩せるダイエットなので、食べることが大好きな人は糖質制限よりケトジェニックがおすすめです。
糖質制限がおすすめの人
大幅な減量を目指していない人は、ロカボなどの糖質制限と筋トレを一緒に行って、筋肉量を維持しましょう。
ケトジェニックと比較した糖質制限のメリットは4つ
- ケトジェニックより苦しくない
- ケトジェニックよりお金がかからない
- 人付き合いができる
- 導入期間の辛さがない
脂質を大量に摂取できない人は糖質制限がおすすめ。
ケトジェニックは、脂質を取りすぎるとお腹の調子が悪くなってしまう体質の人にはあまり向かないです。
自分の体と相談してどちらが良いか決めてくださいね。
ケトジェニックを行う8つの注意点
ケトジェニックは糖質制限より、注意しなくてはいけない点が多いです。
やり方を間違えると、リバウンドしやすくなったり、体調を崩してしまったりと体に良くないので理解をした上で行いましょう。
ケトジェニックを行う8つの注意点
- 規定の脂質量をしっかりと摂取
- タンパク質を摂りすぎない
- 野菜の糖質量
- 調味料の糖質量
- サプリメントで補う
- 期間を決めてやる
- カロリーをしっかりと摂取する
- 適度な筋トレ
順番に説明していきますね!
なお、「糖質制限の注意点も知りたい!」という方は、こちらの記事を合わせて読んでみてください。
【プロ直伝】糖質制限を一週間行っただけでは痩せない理由と対策を解説
【注意点1】規定の脂質量をしっかりと摂取
ケトジェニックの辛いところは、たくさんの脂質を摂取しないといけないことです。
食材から摂取するのは、ほぼ不可能です。
そのため、ケトジェニックを行うときは、MCTオイルを必ず摂取しましょう。
中鎖脂肪酸のMCTオイルを摂取することで体内のケトン体を増やし、効率的にケトーシスになれます。
熱に非常に弱いので、加熱は絶対にしないでください!
煙が出たり、泡だったりと危険です。
ドレッシングの代わりや、コーヒーに加えましょう。1日30g摂取すると効果的と言われています。
最初から規定量を摂取するとお腹を壊すので、徐々に量を増やしてくださいね。
最近は、ケトジェニックダイエットが流行っているので、スーパーやコンビニでも簡単に購入できますよ。
【注意点2】タンパク質を摂りすぎない
糖質制限ダイエットにおいては、筋肉の分解を抑えるために、大量のタンパク質を摂取する必要がありました。
もし、ケトジェニックダイエットをしながら筋トレも継続したいと思っているならば、ケトーシスになった後にタンパク質を摂取した方が効果的です。
このとき摂取するタンパク質量は、体重1kgあたり2.2g~2.3gが適切です。
しかし、ケトジェニック導入期は別!
ケトジェニック導入期では体内の糖質が枯渇するので、まずはタンパク質を分解する仕組みが活発に働きます。
そのため、タンパク質の摂取量が多いと、素早くケトーシスに移行できません。
ただBCAAはケトン体の材料となるので、ケトジェニック導入期も摂取するようにしましょう。
そのほかのタンパク質は抑えるようにしてください。
【注意点3】野菜の糖質量
野菜は糖質量が含まれているものが多いため、かなり制限されます。
糖質制限中なら食べても大丈夫な野菜もあるので、食べる前に必ず糖質量を確認するクセをつけてくださいね。
<おすすめ>
- ブロッコリー
- アボカド
- オクラ
- きのこ類
<NG食材>
- トマト
- 玉ねぎ
- 人参
- 根菜類全般
など多数。
アボカドは、森のバターと言われるほど良質な油なので1日1個食べても大丈夫です。
また、糖質制限中は便秘になりやすいので、食物繊維が豊富なオクラやきのこ類をしっかりと摂るようにしましょう。
【注意点4】調味料の糖質量
ケトジェニックダイエットにおいては、糖質制限以上に糖質を厳密に管理する必要があります。
<糖質の高い調味料>
- ソース
- 醤油
- 酒
- みりん
- ケチャップ
- ノンオイルドレッシング
- カロリーハーフやカットのマヨネーズ
ケトーシスに入ったあとなら多少は問題ありません。
しかし、ケトジェニック導入期においては、調味料に含まれる糖質にも気をつけましょう。
【注意点5】サプリメントで補う
野菜の摂取量が減ると、ビタミン・ミネラルや食物繊維が不足します。
ダイエットの成功のためにはしっかりとビタミン・ミネラルを摂って、代謝を促進させ、食物繊維をしっかり摂って腸内環境を整えることがとても大切。
ダイエット成功のためには
- ビタミンやミネラルを摂取して代謝を促進させること
- 食物繊維をしっかりと摂取して腸内環境を整えること
これらがとても大切です。
食事から必要な栄養を全て補えるのが1番良いですが、どうしても足りない栄養が出てくるので、サプリメントも活用しましょう。
【注意点6】期間を決めてやる
ケトジェニックは、しっかりと期間を決めて行いましょう。
期間を決めないで行うと、リバウンドと体調を崩すおそれがあります。
ケトジェニックを続けるほど、筋肉量が減る可能性が高まります。これでは体重が減るにつれて、基礎代謝の低下は避けられません。
また、高脂質の食生活になるので、血管が詰まり脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。
期間を決めて行うようにしましょう。
ケトジェニックダイエットの期間が終了したら、脂質を減らしつつ少しずつ糖質量を増やして戻してくださいね。
一気に戻すとリバウンドしてしまいます。
【注意点7】カロリーをしっかりと摂取する
ケトジェニックは「高タンパク質・高脂質・低糖質」のPFCバランスを意識しなければいけません。
しかし、早く痩せたいからと「高タンパク質・低脂質・低糖質」にする人がいます。
このダイエット方法は、脂質をしっかり摂取しないと痩せません。
「高タンパク質・低脂質・低糖質」のダイエット方法は、痩せたのではなく、やつれただけです。
健康的とは言えません。
必ずやり方を守ってくださいね。
【注意点8】適度な筋トレ
ケトジェニックをする際に気をつけることは、筋肉量を減らさないことです。
せっかく痩せても、脂肪と一緒に筋肉も失うとリバウンドは避けられません。
筋肉が減るとリバウンドをしやすくなるのは、基礎代謝が落ち、1日の消費カロリーが減ってしまうからです。
ケトジェニック中でも筋トレで必要な筋肉をつけて、基礎代謝の高い痩せやすく太りにくい体を維持しましょう。
まとめ
この記事ではケトジェニックと糖質制限の違いをお伝えしました。
まとめると
- ケトジェニックは「高タンパク質・高脂質・低糖質」
- 糖質制限は「高タンパク質・中脂質・低糖質」
- やり方を間違えるとリバウンドする
- 適度な筋トレが必要
ケトジェニックは、必ず期間を決めて行うようにしましょう。
またケトジェニックも厳しい糖質制限も一生続けるダイエット方法ではありません。
糖質は大切な栄養素の1つ、体には絶対に必要なものです。全てカットしようとはしないでください。
糖質は摂取し過ぎなければ、エネルギーとしてとても重要な役割を果たしてくれています。
目標を達成したら徐々に糖質量を増やしてくださいね。
このコラムではダイエットやボディメイクに関する有益な情報を配信していますので、興味のある方は他の記事もご覧になってみてください。