「筋トレをして筋肉痛になるのはなんで?」
「筋肉痛がある時に、トレーニングをしても良いの?」
「筋肉痛にならないと、筋トレしても意味ないの?」
筋トレをしていると、筋肉痛に悩まされますよね。特に、始めたばかりは歩くのも大変な痛みに襲われることも。
ただ、筋肉がどんどん強くなっていくので、トレーニングを続けていると筋肉痛になりにくくなります。
筋肉痛がないと、鍛えられていないと思っている人もいますが、ちゃんと筋肉は成長しているので、安心してくださいね。むしろ、筋肉痛を求めての筋トレは、怪我の原因になるのでやめましょう。
この記事では、
- 筋トレで筋肉痛になる理由
- 筋トレによる筋肉痛は2種類
- 痛みがあったらトレーニングを休むべき理由
- 筋肉痛の予防または軽くする方法
などを、詳しく解説しています。
なお、筆者はプロのトレーナーで、実際に多くの人にトレーニング指導をしてきました。筋トレと筋肉痛に関する情報を分かりやすくお届けしていきます。ぜひ最後までご覧ください!
筋トレで筋肉痛になる理由を30秒でサクッと解説
なぜ筋トレをすると筋肉痛になるか、医学的にまだメカニズムは解明されていません。
しかし、筋肉痛が起きる動きは分かっています。
筋トレを行なっているとき、筋肉は2つの動きをします。
- 筋肉が縮まりながら力を発揮するコンセントリック運動
- 筋肉が伸びながら力を発揮するエキセントリック運動
筋肉痛を起こすのは、エキセントリック運動をしたときです。
例えば、 スクワットで腰を下げる動きは、四頭筋が伸びるのでエキセントリック運動!
ゆっくりとおろせば下ろすほど負荷がかかります。
このトレーニングを繰り返すと、筋肉痛になります。
【現役トレーナーが解説】筋トレは筋肉痛にならなくても効果ある?
筋トレによる筋肉痛は2種類ある
筋肉痛になるタイミングが遅くなると歳をとったからと言われますが、その考えは誤りです。単純にトレーニングの強度の問題だと、考えられます。
筋トレによる筋肉痛は、2種類。
- 筋トレ当日起こる即発性筋肉痛
- 筋トレの次の日に起こる遅発性筋肉痛
順番に説明します。
【種類1】即発性筋肉痛
即発性筋肉痛とは、筋トレなどのトレーニングをした当日に感じる筋肉痛のことです。
即発生の筋肉痛には2種類あります。
1つは、トレーニングによって筋肉や筋膜が断裂して感じる痛みで、腫れやうっ血が伴います。
これは怪我なので、病院にいきましょう。
もう1つは、筋トレによって疲労が溜まって発生する痛みです。
筋トレ後、達成感はあるものの、痛みや重さ、だるさを感じることがありますよね。
温かいお風呂に入りながら、マッサージするのがおすすめです。
【種類2】遅発性筋肉痛
遅発性筋肉痛とは、筋トレをした当日ではなく、次の日や翌々日に発生する筋肉痛のこと。
一般的に筋肉痛と言われるのは、これです。
筋トレによって、筋繊維などが損傷し、炎症が起こります。
しかし、筋肉には神経がないため痛みを感じることがありません。炎症が広がり、神経に伝わることによって痛みを感じ始めます。
これが筋肉痛が、筋トレの翌日または翌々日に起こる理由です。
筋肉痛になったら筋トレを休むべき5つの理由
筋肉痛になったら、筋トレを休むべき理由を5つ紹介します。
- 超回復ができない
- 可動域が狭くなる
- 怪我をするリスクが高まる
- オーバーワークになる
- 効率的に筋トレができない
順番に説明します。
【理由1】超回復ができない
筋肉痛のときに筋トレをすると、筋肉を休められないので超回復ができません。つまり、筋肉が成長できないということ。
筋肉の成長の仕方を簡単に説明しますね。
- 筋トレによって筋肉がダメージを負う
- 休養により筋肉に栄養分が溜め込まれる
- 同じトレーニングじゃダメージを負わない筋肉ができる
- さらに負荷を増やしてダメージを負わせる
- 休養して筋肉に栄養分が溜め込まれる
- 同じトレーニングでも余裕な体ができる
これが繰り返されることによって、筋肉はどんどん成長するのを超回復と呼びます。
例えば、指を怪我したら、なるべく休ませて早く治そうとしますよね。これと同じことが筋肉にも必要です。
毎日、同じ部位を鍛えると回復する時間がないので、逆効果になってしまいます。
【理由2】可動域が狭くなる
筋肉痛があると、筋肉を伸ばしたり縮めたりする時に痛みが生じます。
そのため、筋肉の可動域が狭くなります。
普段の筋トレでできる可動域まで動かさなければ、鍛えても効果は半減。
せっかく時間をとってトレーニングを行うのであれば、最大限の効果を発揮したいですよね。
【理由3】怪我をするリスクが高まる
筋肉痛があるときに筋トレをすると、怪我をする可能性を高めます。
筋肉痛で筋肉が炎症を起こしているときに休まずに筋トレを続けていると、痛みが強くなることもあります。
さらに、無意識のうちに痛みがある部位をかばいます。
その結果、フォームが乱れて怪我をしてしまう危険性を上げることに。
少しでも痛みを感じたら、体を休ませてあげましょう。
休むことで筋肉は大きくなります。筋肉痛が治るまで休んでも、筋肉が減ったりしないので安心してくださいね。
【理由4】オーバーワークになる
筋肉痛なのに、筋トレを続けているとオーバーワークになってしまいます。
オーバーワークは、1回のトレーニングではなりません。毎日、過度なトレーニングを続けることによって疲労が蓄積してしまい、回復する力が追いつかなくなったときに起こります。
オーバーワークをし続けると、
- 筋力が少なくなる
- パンプアップしない
- やる気が起きない
など、肉体にも精神にも症状が出るように。
たまに気分をあげようと、さらに筋トレをおこなってしまう人がいますが逆効果。
日常生活にも支障が出てしまうので、しっかりと休むようにしてください。
【理由5】効率的に筋トレができない
筋肉痛があるのに筋トレをしても、痛みで力が出せません。
筋肉痛があるということは、筋肉が傷つき炎症を起こしている状態。そのような状態で筋トレを行なっても、最大筋力を発揮することはできませんよね。
筋肉痛があるときは、普段の負荷を持ち上げることも困難です。
筋肉を増やしたいのであれば、いつも、またはそれ以上の負荷を扱わなくてはいけません。
しっかりと回復を待ちましょう。
それが筋肉増加のもっとも効率の良い方法です。
筋肉痛を予防または軽くする方法8選
筋肉痛を予防、または軽くする方法を8つ紹介します。
- 筋トレ前後にストレッチする
- 負荷を下げる
- タンパク質をしっかりと摂取する
- BCAAを摂取する
- お風呂に浸かる
- 睡眠をしっかりととる
- 運動前に栄養補給をする
- 同じ場所を毎日鍛えない
順番に紹介します。
【方法1】筋トレ前後にストレッチする
筋トレ前後にストレッチを行いましょう。
筋肉が温まっていないのに、急に筋トレを始めてしまうと、筋肉が緊張状態になります。
その結果、筋繊維がダメージを受けやすくなります。
筋トレ前は、ラジオ体操のような動的ストレッチが、筋トレ後は筋肉をしっかりと伸ばせる静的ストレッチがおすすめです。
筋肉ごとにおすすめなストレッチを紹介します。
気になる方は、読んでみてくださいね!
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【方法2】負荷を下げる
トレーニングが高負荷すぎたため、筋肉痛が起こることもあります。
そのため、筋トレ初心者以外は負荷を下げるだけでも筋肉痛を予防することができますよ。
普段より筋トレ回数やセットの数を減らすだけでも、効果が期待できます。
無理をしすぎないことが、筋肉痛を起こさないポイントです。
【方法3】タンパク質をしっかりと摂取する
タンパク質は筋肉を作るために、必須な栄養素です。
休息期間中にも、タンパク質をしっかり摂取することで筋肉痛の回復が早くなります。そのためには1日に体重×2〜3gの量を摂らなくてはいけません。
また1回で全てを摂取するのではなく、複数回に分ける必要があります。
理由は、分割することにより血中のアミノ酸濃度の高さを維持できるからです。
少なくとも筋トレ後30分以内に、必ず摂取しましょう。
男女別にプロテインの役割を書いています。プロテインに関して気になる方は、ぜひご覧ください。
男性のダイエットにプロテインは効果ある?おすすめやメリット、効果的な方法を解説!
【プロトレーナー解説】女性こそプロテインを飲むべき6つのメリットと選び方のポイント
【方法4】BCAAを摂取する
BCAAと聞いて、パッと必須アミノ酸と答えられる人は、筋トレやダイエットに関する知識がある人です。
簡単に説明してしまうと、「BCAAは筋肉の素」である分岐鎖アミノ酸
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
のことです。
ちなみに、必須アミノ酸は人間の体内で生成することができません。
食事やBCAAサプリからの摂取が必須。
BCAAを摂取することで得られる効果は、
- 筋肉の合成を促進する
- 筋肉の分解を抑える
- 運動中の筋持久力が上がる
- 筋疲労・筋肉痛の軽減
筋肉痛の軽減だけではなく、筋肉を減少させにくくなり、筋トレの効果を向上させます。
大塚製薬によると、BCAAを運動前30分前〜運動中に2,000mg以上摂取することが、効率的に作用するために必要であると述べられています。
BCAAについて、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
【プロのトレーナーが解説】BCAAとプロテインの違いと摂取するタイミング
【方法5】お風呂に浸かる
お風呂に入って、体を温めることにより、血液の巡りがよくなります。
その結果、疲労物質が血液に乗って流れ出ます。
リラックスしながら、ゆったりとお風呂に浸かると、より効果的ですよ。
湯船に浸かるのも、筋トレと同様に習慣化させてくださいね。
【方法6】睡眠をしっかりととる
筋トレの当日は昼寝ができると理想的です。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、摂取した栄養を材料として、筋肉を修復・成長させてくれます。
「寝る子は育つ」と言いますよね。これは子供だけでなく、筋肉にも当てはまります。
6〜8時間眠ることも大切ですが、1番重要なのは睡眠の質です。
【方法7】運動前に栄養補給をする
筋トレなど運動をする前は栄養補給をしましょう。運動中もエネルギーを消費し続けるからです。
なお、主に必要とされる栄養素は炭水化物で、特に効率的に摂取できるのがバナナ。
体内へ吸収されるまでの時間が早いため、栄養補給に最適。筋トレ前後で1~2本摂取するといいでしょう。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください!
筋トレ前後にバナナを食べる5つのメリットと最適なタイミングを現役トレーナーが解説
【方法8】同じ場所を毎日鍛えない
同じ部位を毎日鍛えないのも、筋トレで筋肉痛を予防または軽くするための注意点です。
筋トレをしないと、筋肥大することはありません。しかし、毎日同じ部位を鍛えたら超回復する時間がないので、筋肉量を増やすことができません。最悪の場合、減ってしまいます。
筋肉を効率的に鍛えたいなら、ジムに通いマシーンやダンベルなどを使い、しっかりと負荷をかけてあげることが重要です。
毎日筋トレをするのはやりすぎですが、少なすぎるのも問題。
たとえば、週2回しかトレーニングをしない場合、上半身下半身と分けて一気に鍛えないといけないのでかなり苦しいです。
週5で、部位ごとに鍛える例を紹介しますね。
- 1日目 胸
- 2日目 脚
- 3日目 休み
- 4日目 背中
- 5日目 肩
- 6日目 休み
- 7日目 胸
これを繰り返していきます。
筋肉痛がある場合は、たとえトレーニングデーだとしても休むようにしましょう。
まとめ
この記事では、筋トレをして筋肉痛になる理由と注意点・対策方法を紹介しました。
まとめると、
- 筋肉が伸びながら力を発揮するエキセントリック運動で筋肉痛が起こる
- 筋肉痛には2種類ある
- 筋肉痛になったら筋トレを休む
- 生活習慣も気にすると筋肉の回復を促進する
筋肉を鍛えた達成感を得られるからと、筋肉痛を求めて筋トレをしないようにしましょう。
筋肉痛にならなくても、筋肉はしっかりと鍛えられています。
また、毎日鍛えないと筋肉は大きくならないと思うのも、誤りです。しっかりと休ませることで、超回復を行えます。
ちゃんと鍛えられているか不安な人は、パーソナルトレーニングを利用するのも良いでしょう。
正しいフォームで鍛えられるので、特に初心者におすすめです。
このコラムではダイエットやボディメイクに関する有益な情報を配信していますので、
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